鬼滅の刃ネタバレ・第204話「鬼のいない世界」

鬼滅の刃ネタバレ・第204話「鬼のいない世界」

竈門炭治郎のはなしⅠ

鬼舞辻無惨との死闘から3ヶ月    

「もう桜も満開だ」

俺はベットの横に座って、満開の桜を見ている禰豆子に声をかけた。

鬼舞辻無惨を倒してから3ヶ月が経ったけれど、俺はまだ蝶屋敷のベッドの上にいる。

いつものように俺のベットに集まっている善逸と伊之助は、春のぽかぽか陽気に誘われて眠ってしまったようだ。2人とも気持ちよさそうにしている。

心地よい風が吹き、窓の外から桜の花びらが運ばれてくる。ヒラヒラと舞い散る桜の花びらを見つめ、うっとりした表情の禰豆子がいった。

「綺麗だねぇ」

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竈門炭治郎のはなしⅡ

「やっぱり手握ったりもできない?」禰豆子がいった。

俺は無惨との戦いの後遺症で、左手の肘から下の感覚がなくなり、右目も形は整っているものの、視力は失われていた。

「俺なんかより禰豆子は大丈夫なのか?」

「私は全然平気だよ」笑顔の禰豆子が答える。

「傷が残るだろうなあ……みんなにも申し訳ないよ」

「そんなこと気にする人いると思う?もう謝るのはなし。次謝ったらおでこはじくからね」

禰豆子はそういうけれど、俺が鬼になりかけたことで、たくさんの人たちが傷ついたのは事実だ。そのことを考えると、どうしても暗い気持ちになってしまう。

「…お兄ちゃんが人間に戻れて良かった」

「義勇さんんは俺が禰豆子を噛んだ時、終わったと思ったって」

「あははっ、それは思うよねぇ。私も本当に駄目かもって何度も思った」

「愈史郎さんの話だと、しのぶさんの薬があったことと、一番最初に噛んだのが禰豆子だったことが僥倖(ぎょうこう)だったって」

「そうなの?」

「うん。禰豆子は一度鬼になって人間に戻ってる体だから、抗体を持っているんだって」

「こーたい?」

「無惨の細胞に対して免疫があったらしい」

「めんえき!」

禰豆子はイマイチ理解できていないようだけれど、これは愈史郎さんがお見舞いに来てくれたときに話してくれたことだ。

「しのぶの薬と禰豆子、もしどちらか欠けていたらお前は人間に戻れなかっただろう。つくづく運のいい奴だよ。そして、お前の鬼としての素質。ずば抜けてるよ。一瞬で太陽を克服してるし、無惨より、禰豆子より、お前には鬼の素質があったんだ。ギリギリまで自我が消えずにいられたのも凄いことだ。本当によく頑張ったな。えらいよ。お前は」

愈史郎さんが褒めてくれた。それだけで俺の目には涙が浮かんでくる。

「いや、そんな。俺はたくさん周りの人に助けてもらってやったことだから…」

「冗談で言ってるんだ。真に受けるな馬鹿が。お前なんか下の下だ。顔見てたら苛々してきた。俺は帰る」

いつもの調子に戻った愈史郎さんが、茶々丸を抱いて立ち上がる。

「…じゃあな」

ドアに向かって歩き出す愈史郎さん。その背中に、俺は思わず声をかけた。

「愈史郎さん、死なないでくださいね。」愈史郎さんが立ち止まる。

「珠世さんのこと、ずっと覚えていられるのは愈史郎さんだけです」

何も言わずに部屋を出ていく愈史郎さん。結局、これが俺の見た愈史郎さんの最後の姿になった。

「愈史郎さん大丈夫かな…ふらっといなくなってそれきりだし…心配だよ」禰豆子がいった。

俺も禰豆子と同じ気持ちだった。それほど、無惨との戦いが終わった後の愈史郎さんは思い詰めていたし、何より最愛の人・珠世さんが死んでしまった今、愈史郎さんがどんな行動に出るか想像がついてしまう。

「あっ、そうだ!それと義勇さんたちいなかったけど知らないか?具合悪くなったりしてないよな?」

思わず、俺は会話を変えた。

「義勇さんたちは大丈夫だよ。今日はお館様の所に行ってるの」

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冨岡義勇のはなしⅠ

いつものように、俺と不死川はお館様の前に座り、お言葉を待っていた。庭の桜は満開で、心地良い風が花びらを散らしている。

「来てくれてありがとう」お館様がいった。

「今日が最後の柱合会議だ。実弥。義勇。柱は二人だけになってしまったね。他の子供たちも大勢いなくなってしまった。けれど私たちは鬼を滅ぼすことができた。鬼殺隊は今日で解散する。」

とうとうこの言葉をお館様から聞くときが来た。

「御意」俺と不死川が答える。

「長きに渡り、身命を賭して」

「世の為、人の為に戦って戴き、尽くして戴いたこと」

「産屋敷家一族一同、心より感謝申し上げます。」

お館様とかなた様、くいな様が、俺たちに頭を下げている。

「顔を上げてくださいませ!!」

「礼など必要御座いません!鬼殺隊が鬼殺隊で在れたのは、産屋敷家の尽力が第一」俺と不死川が叫ぶ。

「輝利哉様が立派に務めを果たされたこと、御父上含め、産屋敷家御先祖の皆様も、誇りに思っておられることでしょう」

齢八歳にして産屋敷家の当主となったお館様の重圧は、相当なものだったはずだ。しかも、いきなりあの無惨と闘うことになったのだ。

「ありがとうございます……っ」お館様とかなた様、くいな様が涙している。

本当にこれで終わりだ。涙するお館様の横で、俺と不死川は顔を見合わせて微笑んだ。

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竈門炭治郎のはなしⅢ

「炭治郎!!」「禰豆子ちゃーん!!」

元・音柱の宇髓天元さんとくノ一の3人がお見舞いに来てくれた。

「明日には静養を終えて、家に帰るんだって?」

宇髓さんが優しく頭を撫でてくれる。この優しい表情が俺は好きだ。

「先に私たちのうちにも遊びに来てくださいよお!!」

須磨さんは禰豆子と抱き合ってはしゃいでいる。

「馬鹿デカイんだよ!アンタ声が!!」突然、まきをさんが須磨さんを叩いた。

「いやあっ!!まきをさんがぶったあ!!天元様、見ましたあ!?今ぶたれたの」

「ちょっと見てなかったわ」

「ぼんくら!!」

宇髓さんも須磨さんとまきをさんには困っているようだけど、おかげで病室の空気が一気に明るくなった。

「こんにちは!父上、早く早く!ねえ!」今度は元・炎柱の煉獄杏寿郎さんの弟・千寿郎君とお父さんの槇寿郎さんだ。

なかなか入って来ない槇寿郎さんを千寿郎君が引っ張っている。

「何を遠慮してんだよ。旦那!」

宇髓さんにも促されて、ようやく槇寿郎さんが入って来た。

「ご無沙汰してます!」

「ああ…」

槇寿郎さんは、なんだかさえない表情をしている。

「息子の…杏寿郎の鍔ををつけて戦ってくれたそうだな。ありがとう。あの子もきっと喜んでいる」

「そんな!!俺の方こそどれだけ杏寿郎さんの言葉に励まされたか!感謝しています」

無惨との戦いだって、杏寿郎さんがいなければ勝つことはできなかった。杏寿郎さん、ありがとうございました。あなたのおかげで無惨を倒すことができました。

「うーん…うるせぇなあ」善逸がようやく起きたようだ。

「うわーっ!!また来てるよ!ひょっとこ集団が!!殆ど毎日来るじゃん!やだぁ!!」

起きてすぐだというのに賑やかなものだ。毎日のように大勢でお見舞いに来てくれる、刀鍛冶の皆さんに向かって叫んでいる。

「増えたァァ!!何でみんな示し合わせたみたいに同じ時間に来るの」今度は隠の皆さんが来てくれた。

「病室がギチギチになるんだよ!!」

善逸のいう通り、さすがにこの人数は多いんだよなぁ…。

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竈門炭治郎のはなしⅣ

「カナヲー」

僕は満開の桜の下で花を見つめるカナヲを呼んだ。

「炭治郎」カナヲもこっちを振り返って返事をした。

「近くで見るとすごいね!この桜の木」

「うん」

「初代・花の呼吸の剣士が植えた桜なんだって。”必勝”っていう名前がつけてあるの」

「へぇ!!かっこいいなぁ」

「叶ったよって教えてあげたい」

「うん」

カナヲは本当に優しい子だ。でも、そんなカナヲを、俺は傷つけてしまった。

「目、大丈夫?傷も」

「うん。全然見えないわけじゃないんだよ」

「ほんと?」

「うん。傷も全然痛くないよ」

笑顔で答えるカナヲを見て、俺は無言で俯くしかできなかった。

「さっき風柱様も来てくれたの」話を変えるようにカナヲがいった。

「えっ!!ほんとに?俺も挨拶したいな」俺はカナヲの優しさに甘えることにした。

「しておいで。まだいらっしゃると思うよ。蛇柱様のお友達の鏑丸(かぶらまる)くんをくれたんだ。すごく賢いのよ」

カナヲの胸元から鏑丸が出て来た。

「わー!!鏑丸!!そうかそうか!良かった」

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不死川実弥のはなしⅠ

「あー!こんにちはっ」

廊下で出会った竈門禰豆子が声をかけて来た。

「ああ…」

「怪我は大丈夫ですか?」

「ああ…まあ…」

「良かったです!」

「……」

調子が狂う。何でコイツはこんなにも無邪気に俺に話しかけて来るんだろう。

「悪かったな、色々…」俺はいった。

「無惨倒した後も一悶着あったらしいが、俺はその間寝てたしよ……」

「あははっ!私なんて二年ぐらい寝てたことありますよ。それに比べたら全然大したことないです!お兄ちゃんも戦いの後、一ヶ月ぐらい殆ど寝てたし」

「……」

「私、寝るの好きです」

なぜだろう。竈門禰豆子に玄弥の姿が重なった。

「寝るの好きだ。腹減らねぇから!」子供の頃の玄弥が頭の中で蘇る。玄弥……。

思わず、俺は竈門禰豆子の頭を撫でていた。とても穏やかな気持ちだ。玄弥にもこうしてやることができれば良かったな…。

「元気でなァ」

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竈門炭治郎のはなしⅤ

「これ絶対今日中に終わんないよぉ」善逸が嘆いている。

俺と禰豆子と善逸と伊之助の4人は、俺たちの家に帰る途中、鬼との戦いで死んでいった鬼殺隊の隊員たちのお墓参りに来ている。

確かにすごい量だ。こんなにたくさんの人が鬼との戦いで命を落としたなんて…。

「俺様がやってやるよォ!」

「ばち当たりなんだよ!お前はさあ!!」

お供えする花をばら撒く伊之助に善逸が叫ぶ。まったく、伊之助には困ったものだ。

「あ、三郎お爺ちゃん」

全てのお墓に花を供え、家へと向かった俺たちを、三郎爺さんが出迎えてくれた。

無事で良かった。俺たちは抱き合ってお互いの無事を喜んだ。なぜか善逸もその輪に加わっていたけど、まあ、良しとしよう。

みんなが眠っている場所には、きれいな花がたくさん咲いていた。その花に俺たち4人は手を合わせた。お母さん、俺、ちゃんと禰豆子を守ったよ    

俺と禰豆子と善逸と伊之助は4人で生活することにした。俺たちはもう家族同然だったし、善逸は禰豆子と一緒にいられて幸せそうだった。これまでの鬼との戦いが嘘かのように、俺たちはずっと笑っていた    

そして、時は流れ    

『鬼滅の刃』第204話 / おわり

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※ 本ページの情報は2020年5月時点のものです。

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